ブログから引っ越し中・・・過去記事(15/01/03)ヒント券を語る その10 VS シャープ&NEC
過去記事から転載(15/01/03)
FM音源ボードを手に入れたのに、鳴らなかったときの話。若気の至り
------------------------------------------------------------------------------------
@ハードメーカーに電話
ヒント券という言葉とは全く関係ないのですが、このシリーズはユーザーサポートに関して語るということでお許しを。今回はハードメーカー、パソコンの製造元への問い合わせについてです。
80年代中盤のパソコン購入事情で言うと、わからないことがあっても聞く相手がいない、というのがあります。お店で買っても、パソコンに詳しい店員さんががいるわけではありません。それは店員さんが不勉強というわけではないのです。今ではWindowsやAndroidなどOSなどによって操作の約束事がある程度決まっています。しかし当時は、それぞれのメーカーが独自仕様でハードを出し、次々と新製品が発売されるなかで全ての商品について理解しておけ、というのも無理な話でした。
ユーザーのほうもパソコンがわからなかったら、自分で解決するべきだ。という考えが主流でした。これは当時のユーザーが自立していたということだけでなく、ミエの問題だったりします。ユーザーは「パソコンなんてすぐ理解できる自分」がかっこよくみえてたし、なにより人から「あいつパソコンなんて買っても、結局使えないんじゃねーか。無駄遣いだよね」と笑われることを恐れたのです。いま考えると、どーでもいいことなんですが、当時のパソコンが実用的なものでなく、イメージ先行型だった時代には重要でした。今考えると、なんのサポートもないのに30万円とかする製品を買うという行為は、寒気を感じますが・・・
周りに詳しい人がいないとなると、情報は雑誌などになるわけですが、メーカーも手をうたなかったわけではありません。そのひとつがアンテナショップやショールームの存在です。ここにいけば、メーカーの最新製品が置いてあり、いろいろな相談に乗ってくれたようです。うまく動かなかった場合は自分のパソコンを持ち込んだりして、テストなどもさせてくれたようです。「ようです」というのは自分は行ったことがないからです。というのも、やはりこういうお店というのは都市部にしかなく、まわりが田んぼだらけのようなところに住んでいた自分からは遠い存在でした。一番近くのNEC関連のお店に行くのに、電車で二時間かかような土地では仕方ありません。
となると、自分のような田舎者は、問い合わせするとき電話となるわけで・・・やっと本題です。
@VSシャープ 家電だったX68000
高校にいってたころ、自分のX68000ACEが起動しなくなりました。Config設定などではなく、電源ボタンを普通に押してもOSの画面に行かないので。壊れたか?と焦りましたが、サポートに電話することにしてみました。
目についたシャープの番号にかけてみると「その製品についてはこちらになります」とか、違う番号を教えられました。なんだよ、たらい回しかよ、と思って教えられた番号にかけてみると
「はい、シャープ家電サポートです。お問い合わせの製品ですが、電話、冷蔵庫、テレビ、その他のいずれになりますか?」
と言われて、ああなるほどと思いました。つまりX6800は家電だったのです。シャープのコンピューター事業といえばMZシリーズであり、X1、X68シリーズはテレビ事業部が開発した製品でした。その流れからかサポートもテレビと同じ部署がやっていたのです。この前にかけた電話はコンピュータ事業部のもので「ここではない」と言われたのでしょう。
X68というパソコンが起動しない状態を告げると、電話に出てくれた年輩のサポートの人は困った様子で
「わたしね、パソコンの事はわからないんですよ・・・普段はテレビとかの担当なもんでねー」
という、現在ではそれだけで問題になりそうな一言。
「でもその症状は対処マニュアルに書いてありますからね。読み上げます」
ということで、X68の特殊キーであるOpt1とOpt2キーを同時押ししながら電源ボタンを押すことで起動できることを教えて・・いや読んでくれました。お礼を言うと
「今のでわかりました?いや自分で読んでても意味がわからないんだよね(笑)わからないことあります?でもこれ以上のこときかれても、自分では答えようがないんだけど(笑)ボクは理解できたの?すごいねー、がんばってね!」
と、今ではTwitterで1万RTかかりそうな発言をして電話が終わりました。フレンドリーで嫌な気持ちは全くなかったですけども、当時のシャープの事情がうかがえる一件です。それにしてもやっぱりマニュアル作っておくのは大事ですね。
@VS NEC 鳴らなかったサウンドボード
これも高校生の頃の話。手に入れたPC98にサウンドボードを挿してみたところ、音が鳴りません。テスト用に借りた「エメラルド・ドラゴン」を起動してみても、画面は出るものの、音が出ないので不良品?と考えて近くのサポートに電話してみました。せっかく高い買い物をしたのに、とイライラで自分はブチ切れ状態。PC98の前でコードレスフォンを片手に文句言いまくる気満々です。
すると、おそらく二十代の若い人が電話に出られました。「音でないんすけどぉ」と、自分がヤンキー調でサウンドボードから音が出ないことを告げると
「弊社の製品がご迷惑をかけて申し訳ございません」
と異様に丁寧です。そういう言葉を使われると、逆になんだか怒りがおさまりません。
「お客様、それでは順を追って確認していきたいと思います。まず・・・ボリュームは上がってますか?」
と言われました。「当たり前やろ!なんだ!ボリュームとか、なめんとかぁあああ」と自分はまくしたて、相手は「もうしわけございません」と平謝り状態です。「ボリュームとか上げてるのにきまっとるやろが」と試しにサウンドボードのボリュームをひねってみると
チャリラーラ♫チャラリー♫
と美しいエメドラの音楽が!まさか、ボリュームがミュートになっていただけなんて・・・恥ずかしくてどうしようもなくて
「鳴ったわぁぁぁああ!」
と逆ギレの巻き舌で電話を切りました。あの音向こうにも聞こえてただろうな。それにしても、トラブルでキレてしまって恥ずかしい。そして電話に出てくれた人に申し訳ない。今この場で再度謝ります。冷静じゃなくなることはデメリットしかないですよね。
話大きくすると、少年はこういう趣味を通して、社会や大人との関わりみたいなのを学んでいくところもあると思います。なので今、SNSとかで若者にキレそうになっても、このときのことを思い出して、丁寧な対処をすることが恩返しなのかなー、とか考えたりします。