ブログ引っ越し中・・・過去記事(14/05/04) 【読書】遠藤雅伸のゲームデザイン講義実況中継
遠藤さんのこの本は名著ですねー。もっとゲームの作り方の本が読みたい。プログラムとか技術的なものじゃなくて、演出論、デザイン論みたいな本がもっと出てきてもいいんじゃなかろうか。
過去記事を転載(14/05/04)
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@ゲームの話しようぜ
ゲームの開発者の方のインタビューとか読むとがっかりすることが多い。「このヴァーチャルな感覚が人の未来を変えるんじゃないかと思ってるんです」とか、「このストーリーはネット社会の行く末をテーマにしてるんですよ」などゲームの話をしているようで、その実、ゲームそのものについて語っていない。たとえばシューティングゲームで弾を撃ちまくるのはどうして気持ちがいいんだろう、RPGで武器を買い換えていくのはどうして楽しいんだろう、SLGのコマンドで「作戦」と「戦術」という二つのコマンドが用意してあるのはどうしてだろう、とかゲームそのものについての話や考えが聞きたいなあ、と思うがあまりその手のインタビューってない。なぜこのゲームが面白いのかが知りたいのに、どうしてもストーリーやキャラクターに注目が集まり、開発者もきかれるとテーマなど調子にのってカッコ良く語っちゃうのかもしれないが、自分としては「いやゲームについてしゃべってよ!」という気持ちになる。
@ゲームの教科書ってないの?
では、ゲームそのものについて興味のある人、ゲームはどうして面白いのか?という事を知りたい自分のような人はどうすればいいのか。ひとつの方法として「作り方を学ぶ」というのがある。たとえば映画がどうして面白いのか知りたいとき、脚本の書き方などの本を読んでみると、なるほど映画のお話の構造ってこうなってるのか、と理解できることがある。ならばゲームのデザインに関する本を読めばいいんだな、と思うがこれが案外少ない。Amazonで「ゲームデザイン」で引いてみると少数の本しか出てこないのが実状だ。他のジャンルである小説や映画にはハウツー本がたくさんあるのに、コンピュータゲームにそれがないのがちょっと寂しい。
そんな中でゲームデザインについて語られた少ない本の中で、さらに良書と言えるのが「遠藤雅伸のゲームデザイン講義実況中継」である。
遠藤さんと言えばご存じ「ゼビウス」「ドルアーガの塔」などの開発に関わられたゲームクリエイターである。遠藤さんが書かれてるというだけでこの本説得力がある。やらしい話、同じ事を書いていても、どこぞの大学教授より、現場の実績を信じてしまうのが人間だ。うん、自分もそうです。そういう意味では遠藤さんのような方にどんどんこのような本を書いてもらうのがいいと思うが、逆に「言うことは間違ってないけど、あいつの言ってる事だから信じなネェェェェェ」という人もいるから一長一短か。あーそういう人、自分にもいます!
@歴史を振り返れ
本書では、面白いとはどういうことか?という考察などが書かれている。たとえば、「プレイヤーがゲーム中でアタリハズレのあるアイテムをとるとき、どいう期待をもっているか?」などについての遠藤さんの考え方が書いてある。このような事を考えたこともなかった人にとって非常に参考になる話が書いてある。
それよりも多くのページが割いてあるのが、ゲームの歴史についての文章だ。シューティングゲーム、ドライブゲーム、アクションゲーム・・・などなどについて各ジャンルの歴史が振り返られている。それもコンピュータゲームだけでなくて、それ以前のアナログゲームからである。たとえば、シューティングゲームならばお祭りの射的ゲームから、最新のゲームに至るまでの流れが解説されているのが珍しい。だいたいコンピュータゲームについて書かれた本は、コンピュータゲームの世界だけで閉じられていることが多いので、外の世界、それより前の世界とあわせて考えることができるのは素晴らしい。遠藤さんの幅広い知識がうかがえる。何か物事を理解するには、「何がどうしてこうなっている」という歴史の振り返りも有効で、この本はそれができるのだ。
@おっさんよ昔を語れ!!
歴史を振り返る事が大切だとすると、人の証言をききたくなってくる。70年代後半から隆盛を迎えたコンピュータゲームの制作に関われた人たちは今、上の方でも50代から60代。ご存命のうちに・・・というのは失礼だけれども、もっと当時の話をきいてみたい。遠藤さんも本書のなかで「本人たちにとっては単なる苦労話でも後進にとっては実はとても有用である」と書かれてるように、経験からくる体験談は貴重。そしてなによりおもしろい!!いやいやオレなんて・・・・と思わないで、昔の開発者の方はドンドンSNSなどで話をきかせていただきたい。なんならうちのニコ生のゲストに出て欲しい!!。自分達はもっとゲームの事が知りたい、語りたいのである。
前のほうでは揶揄しちゃったけど、今のクリエイターには信じてることもあるし、それはきっと大切なことだ。だけどもこれだけ変化が早くて幅広いゲームの世界で、「そもそもゲームってなんだろう?」と立ち止まって歴史を振り返り、理解したい気持ちもある。そのために話もききたいし、本も読みたい。まあそれだけゲームが好きだってことです。てへ♥